「筋トレのPOF法とは?」
「POF法のメリットって何がある?」
「POF法について詳しく知りたい」
と、POF法について興味を持った方。
POF法は正しくやることで、筋繊維全体に刺激がいれられる素晴らしいトレーニング方法です。
上手く筋トレルーティンに組み込むことができれば、より効率的に筋肥大させることが可能になります。
そこで本記事では筋トレのPOF法について詳しく解説していきます。
この記事を書いている私は、現役のパーソナルトレーナーで年間1500セッション以上を担当しております。
お客様に対しても、このPOF法を取り入れてパーソナル指導をすることがあり、その効果にお客様も満足されることが多いです。
そんなPOF法について詳しく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。
筋トレのPOF法について、しっかり理解していこう!
筋トレのPOF法とは?
POF法とはPosition Of Flexionの略で、屈曲の位置という意味です。
どの関節の角度で一番負荷がかかるのかは種目によって違います。
関節を曲げきったとき、関節を伸ばした時、その中間位で一番負荷がかかる種目を1種目ずつ行うのがPOF法です。
なぜ負荷のかかる場所を変えて筋トレするのかというと、筋肉が成長するためには多くの刺激が必要だからです。
筋肉を最大限に収縮させて負荷が抜けない範囲で伸ばしていくのが効率的ですが、動かしているときに常に負荷が乗り続けているわけではありません。
そこで、種目を変えながらすべての筋繊維に負荷がかかるように多くの刺激をいれるのです。
POF法は、ミッドレンジ種目、ストレッチ種目、コントラクト種目の3種類があります。
ミッドレンジ種目は、中間位で一番負荷のかかる種目で重量を一番扱えるのが特徴です。
ストレッチ種目は、筋肉を伸ばした時に一番負荷のかかる種目です。
コントラクト種目は、筋肉が収縮したときに一番負荷のかかる種目です。
この3種類をトレーニングメニューに組み込んで、最大限に筋肉を追い込みましょう。
筋肉に3種類の刺激を与えることで、効率的に筋肥大する!
POF法のメリット
筋肥大に有効
POF法は3つの刺激を入れることができ、それぞれに特徴があります。
・ミッドレンジ種目:物理的な刺激
・ストレッチ種目:筋繊維の損傷による刺激
・コントラクト種目:科学的刺激
上記3つの刺激が筋肉に入ると、成長因子が分泌されて筋肉が成長しやすくなります。
これらのどれか一つでも成長因子が分泌されるのですが、POF法は3つ同時に刺激をいれられるので、より筋肥大には有効になります。
怪我のリスクを減らす
POF法は種目ごとに、一番負荷のかかる部位が変わるので、まんべんなく筋繊維全体を追い込むことができます。
2種目続けて同じ部位に負荷がかかるよりも、同じ筋肉でも負荷のかかる場所が変わると怪我のリスクを減らすことができます。
例えば、常にミッドレンジ種目しか行わなかった場合、高重量を扱うことになるので関節や筋肉自体にかかる負荷が大きくなります。
ミッドレンジ種目のベンチプレスやダンベルプレスの頻度が高くなると、手首などの関節を痛めやすくなります。
少し重量を落としてできるケーブルフライや手首への負担が少ないダンベルフライなどを行うようにしましょう。
関節への負荷が軽くなりますが、筋肉は全体的にしっかり追い込めます。
POF法で、筋肉に対しての負荷が高まったとしても一点に負荷が集中しているわけではありませんので、安心して追い込むことができますね。
同じ種目で追い込むと怪我をしやすいけど、刺激が変わればリスクが減る!
POF法の刺激は3種類ある
ミッドレンジ種目
ミッドレンジ種目は一番高重量を扱える種目で、その多くは多関節種目(二つ以上の関節を動かす種目)です。
二つ以上の関節を動かすということは、補助的に使う筋肉も多くなるのでより多くの重量を持つことができます。
例えば、ベンチプレスやスクワット、チンニング(懸垂)、バーベルカールなどがミッドレンジ種目になります。
これらの種目は、高重量を扱いやすい種目なので、低レップでもいいのでなるべく高重量を選択するようにしましょう。
レップ数の目安は6~8回をギリギリできるくらいの重量でインターバルは3分ほど取るようにしましょう。
ストレッチ種目
ストレッチ種目は、ターゲットの筋肉が伸ばされたときに一番負荷のかかる種目です。
ある程度筋肉を伸ばしたところで負荷がかかるので、可動域を意識して筋トレをしていないと、ストレッチポジションまで行かない可能性があります。
しっかり筋肉を伸ばすというところを意識しましょう。
種目でいうと、ダンベルフライやインクラインダンベルカールやインクラインサイドレイズなどがストレッチ種目になります。
どの種目も、筋肉が伸ばされるときに強烈に負荷がかかっているのがわかると思います。
ストレッチ種目のレップ数は、10~12回を目安に3セット行い、インターバルは90秒ほどとるようにしましょう。
コントラクト種目
コントラクト種目は筋肉が最大限に収縮したときに一番負荷のかかる種目です。
この種目に関しては重量は重要ではなく、筋肉に血流を送るようにパンプアップさせることが狙いになります。
最後まで収縮させたときに、ターゲットの筋肉に収縮感がきちんと感じられる重量に設定しましょう。
フォームが崩れて、収縮させるときに全く刺激が入っていないと意味がありません。
最後まで収縮させたときに一瞬停止させられる重量で行うと、さらに効果的に刺激が入ります。
種目でいうと、ケーブルフライやペックフライ、ケーブルプレスダウン、レッグエクステンションなどがコントラクト種目になります。
大事なことなのでもう一度言いますが、最後まで筋肉を収縮させることが非常に重要な種目なので、重量が重すぎたりすると最大限に収縮させることができません。
コントラクト種目のレップ数は、15回くらいできる重量を選択して、一回一回を丁寧に最後まで収縮するところを意識しましょう。
インターバルは60秒ほどで3セットを目安に行いましょう。
POF法で違う刺激を入れることで、筋繊維全体に刺激が入る!
筋トレPOF法の一例(胸の種目)
私が実際に行っている胸の種目でのPOF法は2種類あります。
まず一つ目は、ベンチプレス・インクラインダンベルフライ・ケーブルフライの3種目です。
ミッドレンジ種目であるベンチプレスで胸の中部繊維を鍛えるようにします。
ストレッチ種目であるインクラインダンベルフライで胸の上部繊維を鍛えるようにします。
コントラクト種目であるケーブルフライで胸の下部繊維を鍛えるようにします。
胸の筋肉は、上部・中部・下部の3部位に分かれているのですが、すべての部位にPOF法を取り入れると、9種目行うことになります。
一日で9種目行うことは、いいトレーニングとは言えないので、上部・中部・下部で1種目ずつ行うようにします。
二つ目の胸のPOF法は、インクラインベンチプレス・ダンベルフライ・ペックフライの3種目です。
ミッドレンジ種目であるインクラインベンチプレスで胸の上部を鍛えます。
ストレッチ種目であるダンベルフライで胸の中部を鍛えます。
コントラクト種目であるペックフライで胸の下部を狙って鍛えます。
この場合は一つ目のPOF法とは違い、胸の上部に対してミッドレンジ種目を入れています。
胸の部位は前述したとおり3部位あるので、日によってメインとする種目を変えたほうが、バランスよく鍛えられます。
パターンとしては、デクラインスミスベンチプレスをミッドレンジ種目として取り入れても、もちろんいいと思います。
POF法を取り入れる場合は、その他の部位もあるので1部位に対して週2回までの筋トレが限界だと思います。
胸の場合は上部・中部・下部の3部位あるので、上記のように二つの部位に対して高重量を扱うようにPOF法を組みましょう。
高重量と低重量を組み合わせることで、筋肉への刺激が変わってさらに効果的です!
筋トレにPOF法を取り入れる際の注意点
筋トレ頻度が少ない人にはおすすめしない
筋トレ頻度が少なく、1日に全身を筋トレしている人にはおすすめしません。
POF法は3種類の刺激を与えるために、最低でも1部位3種目は必要です。
もし1日で胸・背中・肩・腕・脚の5部位を3種目ずつやったら、とんでもない種目数になってしまいます。
最低でも週3回ほどは筋トレをしている必要があると思います。
1日2~3部位を鍛える分割法を取り入れている方は、部位によってPOF法を取り入れてみましょう。
自分の苦手な部位はPOF法を取り入れて全体的に刺激の入るようにしてあげてもいいと思います。
週1~2回の筋トレをしている人は、POF法をやるよりは1部位に2種目までに抑えるようにするようにしましょう。
なるべくミッドレンジ種目を最初に行おう
前述したとおり、ミッドレンジ種目は高重量を扱える種目になっています。
基本的には、ミッドレンジ種目を最初に行うようにしましょう
最後にミッドレンジ種目をやってしまうと、高重量がもてなくなり筋トレ強度が低くなります。
最初におこなうことで、疲労がない状態で自分がもてる最高の重量を扱うことができるので、大きな刺激を筋肉に与えることができます。
胸のトレーニングでは、ベンチプレスがミッドレンジ種目になります。
最初にダンベルフライやペックフライ、ケーブルフライなどをやりこんでしまうと、胸が披露した状態になります。
その状態では、ベンチプレスで高重量を持つことはむずかしいので、最初に行うことをすすめます。
せっかく高重量を扱える種目なので、疲労してないときにがっつりやろう!
POF法にこだわりすぎてはいけない
基本的にはミッドレンジ→ストレッチ→コントラクト種目の順番に3種目行うのがPOF法になります。
しかし、この方法にこだわりすぎてはいけません。
筋肉はストレスに反応して成長していきます。
ストレスというのは、日常生活では感じないような負荷が筋肉にかかるということです。
もし、POF法をセオリー通りやり続けてしまうと、筋肉がその負荷に慣れてしまいます。
そうなると、筋肉はストレスを感じなくなり成長しなくなりますので、少しやり方を変えなければいけません。
なるべくミッドレンジ種目からやったほうがいいとお伝えしましたが、あえて最後にもってくることにより筋肉に対する刺激が変わります。
もしくは、いつもベンチプレスをやっているのであれば、同じミッドレンジ種目のダンベルプレスを選択するのもいいと思います。
つまり、同じことをずっとやり続けてしまうと筋肉がストレスを感じなくなるので、種目や順番を変える必要があるということです。
POF法はあくまでも、筋トレのやり方の一つです。
それだけにこだわることがないように、自分でアレンジしてみましょう。
POF法で、常に新鮮な刺激を与えよう!
筋トレのPOF法は、筋繊維全体に刺激を与えることができるので、筋肥大に非常に有効です。
筋トレのメニュー構成のすべてをコントラクト種目だけにすると、筋肉の一部にしか刺激が入っていません。
ミッドレンジ種目、ストレッチ種目、コントラクト種目をバランスよくやることで、効率的に筋肥大させることができます。
正しくPOF法を行って、効率的に筋肉を成長させていきましょう。
筋肉に対しての負荷も高まりますので、理想の体を手に入れられる日も近くなるはずです。
効率的に筋肉を成長させたいなら、POF法を試してみよう!